クルーズフェリー「シーパセオ」
第16回
特別賞
プロダクト
これまでのフェリーのイメージから大きく転換し、ちょっとしたクルーズ船のイメージに仕上がっている。エクステリア、インテリア、ロゴに至るまでトータルデザインとして秀逸である。 多様な利用客それぞれが快適に過ごせるしかけが随所に見られる。
価格(税込)
関係者
企業担当者やデザイナー
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代表取締役社長
仁田一郎
瀬戸内海汽船株式会社
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航路事業部 部長
川渕紀和
瀬戸内海汽船株式会社
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シニアディレクター
鈴木スバル
株式会社GKデザイン総研広島
INTERVIEW
2022.12.05
広島~呉~松山の定期航路で運航する旅客フェリー。地元の人々の暮らしを支える日常交通でありつつも、国内外からの旅行者に対しては心に残る瀬戸内海の時間を提供できるよう、多様な人々を常に包摂できるような「瀬戸内海の移動を楽しむみんなの公園」をデザインコンセプトとしています。
フェリーを単なる海上輸送の乗り物として捉えるのでは無く、多様な利用者があたかも公園で憩うかのような、新しい海上交通のありかたを目指しました。
デザインの依頼を受けたきっかけを教えてください。
瀬戸内海汽船とGKデザイングループは、平成元年開業の宿泊施設「道後舘」のコミュニケーションデザインを協動したのが最初の関わりです。
近年、GKデザイングループが公共交通事業に対して地域特性を活かしたトータルデザインの経験を蓄積していることから、今回依頼をいただきました。
また、GKデザイングループのデザインプロセスが、クリエーター側の考えのお仕着せなものではなく、共に生み出していくという思考であったことも選んでいただいた理由のように感じています。
どのような思い、コンセプトを大切にデザインをしましたか?
プロジェクト開始時に、瀬戸内海汽船社長から「『社員全員参加』でそれぞれが自分事ととして考えた船を作りたい」という思いを受け、デザイナー側も様々な専門性を持つメンバーでタスクチームを編成し、関係者全員が当事者という心持ちでプロジェクトを進めました。
関係者内のワークショップや利用者との対話を経て、瀬戸内海を運行するフェリーは、単なる移動手段ではなく、公園のように「日常的なものでありながら・非日常を感じ・誰もを受け入れ・災害時にも活躍する」存在であってほしい。ということに気づき、「Park on the Setonaikai」という、本航路の船の本当の在り方を発見できたことが大きかったです。
応募者
瀬戸内海汽船株式会社
運送業者
- 住所
- 広島県広島市南区宇品海岸1-13-13
- TEL
- 082-255-3342
- FAX
- 082-505-0134