キルキセキ
第19回
特別賞
介護される者・する者の知覚・行動を変革させる力をもつ素晴らしいインクルーシブなファッションアイテム。 介護現場にファッションの視点を取り込むことで人の気持ちを前向きに変え、表情に笑顔を創ることは、デザインの原点・意義ともいえる。介護を受ける側と施す側の両方のニーズに耳を傾けた意匠とディテールが秀逸。病気などで声や動きを失っても、服は「その人らしさ」を伝える最後の表現手段であるとし、介護服を見直すことで、人の喜びを回帰しようとするメーカーの社会的挑戦の意欲を応援したい。
価格(税込)
関係者
企業担当者やデザイナー
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中藤 友栄
こうのふく
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代表取締役/クリエイティブディレクター
末宗 千登世
株式会社Raymaka
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パタンナー/ソーイングスペシャリスト
水田 恒子
株式会社Raymaka
INTERVIEW
2025.10.15
年齢や体型、身体の状態を問わないインクルーシブファッション。やわらかな国産ガーゼと、留め具や袖の仕様を選べる設計で、介護が必要な方にも自然に寄り添い、自分らしく装う力を支えます。
受賞商品をデザインされたきっかけは?
加齢や病気などで、声や動きを失っても、服は“その人らしさ”を伝える最後の表現手段です。介護の現場で見過ごされがちな“その人らしさ”を、機能と美しさを両立した一着で支えたい。身体の衰えや不自由さにより気持ちまでも活力を失った人が、自分らしく装うことで、命の輝きを取り戻す奇跡を願って『キルキセキ』は生まれました。
どのようなコンセプトでつくられていますか?
高齢者や障がいのある方が、自分らしい装いで社会とつながることは、日常における大きな自己肯定感です。
「介護用として“選ばれる服”ではなく、街で“着たくなる服”として選ばれたものが、結果的に介護にも使える」
この発想がスタンダードとなる社会を目指しています。
受賞商品の特長は?
介護服といえば、今もなおパジャマや肌着が主流で、“おしゃれ”や“外出”を想定した製品は極めて限られています。インクルーシブファッションという市場自体も、まだ確立途上です。この商品は、介護への配慮を見せずに自然に機能を織り込み、一般のシャツと並べても遜色ないデザイン性を備えています。売り場に「介護服」と名乗らずに並び、誰もが手に取ることができます。
応募者
こうのふく
- 住所
- 広島県広島市安芸区瀬野1-42-26
- TEL
- 080-1925-7340